ここ数年、改めて一から鉋の調整、研ぎにはげんでいます。鉋による仕上げは出来上がりの品質に微妙に影響し、仕事の仕方も丁寧になってきた感じがします。なにより削る事が精神衛生上良い。制作するモチベーションの一つになっています。
今は鉋の研ぎ。理屈だけならネット上に豊富に転がっています。しかしそれを体得し解ったと思える瞬間はなかなかやって来ません。研ぎは仕上げ前段階からのプロセスをきちっと踏まえないと良い結果が得られません。写真の砥石は数年前に手に入れたとてもリーズナブルなものですが最近ようやくこの石の良さが解ってきました。もっと高価な砥石でなければなどと勘違いしていました。鋼がきらりと光り地金はうすく曇った様な仕上がりになります。砥石ひとつ理解するのにも随分時間がかかりました。石と自分の研ぎとの相互作用でいつか本当に解ったと思える瞬間がくるのかもしれません。